R2 筑波大学工学システム学類 編入合格体験記

はじめに

 筑波大学 理工学群工学システム学類 R2学群編入試験の体験記です.せっかく合格したので体験記を残しておこうと思います.参考になれば幸いです.

 

 

 

筑波本命の受験生へ

 お前は偉い!!まず編入しようなんて向学心があるね!?

 どこの大学を目指すにしても筑波の試験範囲は広いからね.大抵のところは,追加で英語(特に英作文) と 確率 を勉強すれば足りるだろう.

 途中で志望先変えたっていいよ.旧帝大の滑り止めってよく言われるけど,ようは旧帝大レベルの基礎が一通り身につくってことだからさ.東大だって狙えるよ.

 研究室次第で本命にするのもいい.

 正味滑り止めで受けに来る奴なんて半分は舐めて会場に来てるよ.帰りのバスで「残り〇校だ」とか言ってる奴が試験で全力フルバーストしてたと思うか?

 前日の出来が悪かったんだか起きられなかったんだか知らないが,二日目の面接試験を欠席する奴が5人以上いたぞ?

 ようは,あいつら舐めてるんだよ.つまり全く同じ勉強量でもつけ入る隙がある.より丁寧に時間をかけたら?そりゃもうボコボコだよ.

 だからがんばれ

筑波滑り止めの受験生へ

 線形代数だけは力入れといた方がいいよ.完全に体感で,今年(R2)の線形代数(数学大問2⃣)は例年に比べると易しめだったから,R3はいつもより少し警戒してください

受験生へ

 今年,工シスと応用理工は数学・物理どっちも同じ問題だった.

R3以降も多分に同じだろうから,過去問の難易度で志望先を決めたなら考え直す余地はある.よく考えてほしい.そんなところで迷ってないなら,全くもって問題ない.

 

 

使えそうな情報

 試験科目とか試験時間は書かない.公式の応募要項を見てくれ.

というか印刷して持ち歩け.毎日みてモチベあげてけ.

 

受験全体の勧め

 まず,大問4つに対して,表裏使えて罫線入りの答案用紙,下書き用紙が配られる.それから問題名と受験番号を記入する.これがテスト開始までにできること

・紙面が足りないときは追加で頼めば貰える.
 (僕は貰わなかった.だからここは人聞き.情報は信頼できる)

・下書き用紙に計算を行うこと.

  下書きである以上自分が分かれば問題ないが,こちらも答案と共に提出するので,考えの過程が分かって字が綺麗であるに越したことはない.

・必要な言葉と必要な数式を答案用紙に丁寧に書くこと.

  必要な言葉を書く力については,参考書を使って鍛えるしかない.


 最後に,解法がわからなくても

「こう考えれば解けると思う」

ということを,適切な言葉で書いておくこと.

 はっきり言って,何年かけて受験勉強してどれだけ他より抜きんでて理解していようが答案用紙に何も書いていなければ白紙の答案なんてものは誰にでも作れるのだから評価されるはずがない.

 ただ,数学的な言葉の定義を知らないまま曖昧に言葉を使ったり,よくわからん数式だけ書いて終わる,ようは紙を汚して終わることだけは避けるべき.この匙加減については,参考書の問題なり過去問なりを解いて,教員に採点してもらい,適切な言葉が使えているか,考えた痕跡が記してあるか,といったことを評価してもらうのが良い.僕は筑波の試験前日に

「そういえば解けなかったときに足掻く訓練してない」

と思った.解けない問題を解けないなりに解答する訓練をしてなかったという意味だ.解けない問題がなかったなんてかっこいい意味じゃあない.

 ただ,試験当日解法がわからないところは必死に文字を書いて,結果的に合格しているので,訓練をする価値はある.是非参考にしてほしい.

 わからないときにもとれる行動があると思えば,試験中もより落ち着いていられるだろう.

 

 

 

特にお世話になった参考書

 線形代数
はじめて学ぶベクトル空間

はじめて学ぶベクトル空間

 

 こいつで基底変換と固有空間,対角化の理論を身につけよう.

実用的に問題を解くのは過去問でやるのがいい.とくに筑波の過去問はベクトル空間の理解を試すのに最適

 

複素関数

 僕の学科では履修できないので,初めての教科書として購入.

ローラン展開,n位の極,留数定理,実積分への応用まで,丁寧な解説つき.よくある過去問の出題は網羅してます

 

微分積分
演習 微分積分キャンパス・ゼミ

演習 微分積分キャンパス・ゼミ

 

 2変数のテイラー展開ラグランジュの未定乗数法,全微分可能性などを解説つきで解きたくなって,図書館で借りた.ほんのりと理論がわかるので,手順だけ覚えているのがそこはかとなく不安な人はやるべき.

 

編入数学過去問特訓
編入数学過去問特訓: 入試問題による徹底演習

編入数学過去問特訓: 入試問題による徹底演習

 

 よく聞くやつ.編入レベルの微分方程式はこれ一冊解けば十分.

僕は,

体裁とか考えずに一通り解く

→悩んだ問題,考え方が参考になる問題をピックアップする

→丁寧に解いて体裁を整え,解答例レベルの日本語を添える

という過程で,導出過程説明力を鍛えるのに使った.

 

R2編入試験 数学大問2⃣ (5)が行列形式の2回微分方程式だったが,(突き詰めればe^Aが展開できるかという問題)これが解けなかったら合格してないと思うし,解けたのは過去問特訓で何回かこの展開に触れていたからだと思うので,感謝している

 

電磁気学

僕の学科では履修できないので,はじめての教科書として購入.

マクスウェル方程式の導出過程を説明してくれるが,大学編入試験レベルの電磁気よりレベルが高い.一通り読んだが,最後は理論の確認や計算過程を眺めるのに使った.

電磁気に限らず物理の分野は難関大学の過去問を解くのが最も力になる.

理論が身についていると思ったら

過去問解く→うちのめされる→ググるor先生のところ行く

ループで身につけよう

 

弱点克服 初等力学
弱点克服 大学生の初等力学

弱点克服 大学生の初等力学

 

編入過去問が多く収録されていて,一通りの出題パターンを体験できるのでおススメ.理論の説明は参考程度だが,とにかく解の導出過程が丁寧.自分の解答と見比べるだけで楽しい.たまに誤字もあるけど,自分で気づけるレベルなので問題には感じなかった.

 

弱点克服 電磁気
弱点克服 大学生の電磁気学

弱点克服 大学生の電磁気学

 

 上記同様の理由でおススメ.電磁気はこれが一通り解ければ大学編入レベルで困ることはない.

 

TOEIC(英語)

筑波の英語試験はTOEIC換算.TOEIC本は巷に溢れかえっている.

その上で,自分で使ってみて良いと思ったものを載せておく

何を選ぶにしても,「音がついている」のを要件にすると効率的に本を絞れる

TOEIC Part5~7対策本については例外)

(英作文能力はTOEIC勉強で身につくことはまずないので,英作文をする大学も視野に入れているなら文法本を先に終わらせたほうが絶対にいい.時間に余裕があるなら,TOEIC換算の大学でも先に終わらせるべき.僕は来世で受験するなら絶対そうする.)

(受験可能な日付を予め調べておくこと.最低でも2回は受験すべき)

 

金フレ

 アルク公式アプリで文章ごと音声が聞ける.倍速も設定できる.

リンキングを聞き取る練習のつもりも込めて,速度はあげたほうがいい.軽くて小さいので,電車の中とかで開きやすい.表紙はケバケバしいので剥いだ.

目標点+100点くらいの単語レベルまで覚えておくべき.ただ,単語だけ知っていてもしょうがないので,この本+PartXの本という勉強スタイルを確立するべき.

 

でる1000問
TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問

TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問

 

 図書館の配架していたので使ってみた.

もっと早く出会いたかったくらい.TOEICの出題形式に慣れることもできるし,問題数も豊富.文法で伸び悩んでいる人は絶対にやるべき.

 

公式対策本 Part5,6

 友達が持っていたので借りた.

リスニングが伸び悩んでいるなら,出題形式がTOEIC準拠で,出題パターンが網羅されている本という意味で,これをやっておくと間違いない.

 

公式対策本 Part 7

 僕はPart7が得意だったのでこいつは読んでないが,伸び悩んでいる人は試しに書店で読んでみることを勧める.上記の本がなかなかに優秀だったので同じシリーズのこいつは期待できる.

 

 

面接

質問と返答概略列挙

 ・筑波大学,工学システムを受験した理由

   → 入りたい研究室と履修したい授業の話

 ・高専時代に何か作ったものがあれば,その話

   → ロボコンの話

 ・作ったロボットについて掘り下げる質問

   → 身振り手振りつけて口頭で説明.

 ・試験の出来

   → 解けなかった問題の話と全体の手ごたえ,あと一応ホテルで解きなおしたので,落ち着いて解けなかったのが悔しいとか話した.解きなおし云々の情報を合格体験記でたまに見かけるが,僕にはなかった.部屋に黒板はあった.

 ・ なにか自己アピールあればどうぞ

   → ロボコンの話をやりきって頭の中が空っぽだったんだと思う.「特にありません!」と言いました.なにしにきたんだ...?「特にないんですか!?」と言われました.ほんまそれ. 正味話し切ったつもりだったから合格発表まで気にもしてなかったけど,みんなは自己アピールを考えていこう!!ただ,僕は落として上げる話し方をする癖があるくせに考え出すと思いついたことをすぐ口にする,ようは落とす段階で思いついたことをことごとく話してから,よくわからんフォローを入れて終わる,着地点を見据え(られ)ない馬鹿野郎なので,アドリブで自己アピールするよりか良い選択だったのでは?とも思う.受かったから言えることね.

 ・合否には関係ないが,希望の学科に配属されるとは限らないが大丈夫か・併願校はどこか・どちらも合格したらどちらに進学するのか

  自己アピール爆弾のあとに思い出したかのように聞かれたので,本気で合否には関係ないと思う.普通に答えた.

 

 

 

まとめ

 入学して点数開示したら,それも載せておこうと思う.TOEICの提出スコアは710点だった.参考書について書けることはかなり書いたつもりだが,追加で情報が欲しければ Twitter のほうでDM送ってください.あと,グレーゾーンだと思うが,R2過去問の完答(日本語つき)を教員からの依頼で作って奉納しているので,問題文と一緒に横流しできる.本番書いたのと同じくらいの日本語を添えているので,気になる方は連絡してください.

 

 この体験記が,あなたのモチベにつながれば幸いです.頑張ってください